夕方に雷雲が出て、スコールが降る季節になったチェンマイ。
雨が長引くと、朝晩は涼しくなりますが、まだまだ日中の気温は暑く、この時期は観光客も多くありません。
今日は月に一度の「お弁当の日」、代表が、スタッフ全員へお弁当をご馳走します。
人数が少ない時はそれぞれの希望を聞いて注文していたそうですが、50名ほどになった現在、ひとつのメニューで統一し、みんなで、おなじものを同じ時間にいただきます。
今日のメニューは「カオマンガイ」ふわふわの蒸しどりと、鳥の旨味を吸収した炊き込みご飯は日本人スタッフにも食べやすく、夏バテしそうな暑い日でもペロリと食べられます。
この場所で働いていて驚いたことの一つに、離職率の低さがあります。
辞めていくスタッフは、数年にたった一人、タイでは珍しい数字です。
日本人商工会議所のレポート資料では、「タイ人は転職を繰り返しながら、自分に箔をつけていく、ボーナスのあとに辞めることを前提に企業側は準備したほうがよい」と記載があるほどですが、ここのスタッフは、皆、気持ちよさそうに、仲良く、それぞれを思いやって働いています。
驚いた制度の一つに、育児休暇があります。
通常、育児休暇というと母親がとるイメージだったのですが、この職場では、祖母、おばあちゃんも育児休暇を取得できます。確かに市内のデパートなどを歩いていると、赤ん坊と、母親、父親、おばあちゃんも一緒という光景をよく目にしますが、企業の制度として事例を聞くのは初めてでした。
先日のネパール地震の際は、誰からとなく当たり前のようにダンボールのお手製募金箱が設置され、少しでも被災した方のためになればとみんなで募金したそうです。
あるスタッフの方は、ボーナスの全額をチェンマイのNGOに寄付したとのこと。
チェンマイに来るきっかけになったNGOに恩返しをしたかったそうですが、あまり時間がなく、現地に行くことも多くなかったので、出来ることで協力したかったそうです。
決して少なくない金額だったそうですが、家族も快諾だったとのこと、金額にかかわらず、ボーナスは以前から寄付することに決めていたそうです。
だれかが、困っている人や支援を必要とする人のために、できることを少しでも行動することは、決して簡単なことではないと思います。お互いを思いやり、助けあうことのできる職場から相互扶助の大切さを学びました。(Koichi Tanioka)