2016年3月29日火曜日

肌理を整えるデイリーでスペシャルな"ガスール"ケア daily pores care with ghassoul clay for spring & summer

チェンマイは3月から4月にかけてが1年で最も乾燥して暑い季節。おかげで肌はしきりとベタつきますし、うっかりすれば暑さで皮脂や汗で肌理も粗くなりがちです。日本では、冬から春への端境の季節であり、時には花粉症も相まって、過敏さや乾燥、そして角質によるざらつきと幾重にも肌に悩ましさが付きまとう時分。
暑さや鼻づまりでちょっとぼおっとした頭で、気軽に、つまり簡単・ちょっと手抜きで、しかし効果的に角質や肌理を整えるケアができたらどんなに良いかしら・・など、とムシが良いけれど切実な思いに駆られてしまわないでしょうか?

今日は、そんな時に便利な方法をご紹介したいと思います。
まず、用意するのは、ガスールと重曹(食品用または局方)です。量はそれぞれ30gずつ。
これらを混ぜ合わせたら、2倍〜3倍くらいの水(70〜80cc お好みで調節してください)で溶かし、
ペースト状になったら更に軽く混ぜて、重曹とガスールが均質になるようにします。
あとは、これを毎日の朝夕の普段の洗顔に使うだけ。

普段よりも意識して丁寧に多めにこめかみ、Tゾーン、鼻筋、小鼻のまわりなど、肌のざらつきや乾きが気になるところになじませるのがコツです。
肌になじませたらすぐに洗い流しても構いませんが、満遍なく顔にペーストをなじませたら、そのまま歯磨きをし、歯磨きが済んでからペーストを洗い流す、ショートパックをすると、さらに肌の滑らかさとみずみずしさが増します。

個人差もあるとは思いますが、3日目くらいで、特にこめかみや小鼻のざらつきがすっきり滑らかになり、肌理が引き締まってくるのが感じられるでしょう。
朝の慌ただしさの中、普段のスキンケアの時間を増やすことも段取りを変えることもなく、より効果的に肌を明るく肌理細かく保つスペシャルケアを盛り込めます。
重曹は弱アルカリ性で殺菌力もありますので、この方法ならば数日分のガスールペーストを作りおきできますし、ラベンダーや薔薇の精油を加えると制菌効果を高めながら、スキンケア効果・リフレッシュ効果なども加えられ、朝夕のスキンケアをさらにスマートかつ潤いある時間にできます。

毎朝、このレシピのガスールのすっきりした洗い上がりに思うのは、もしもティーンエイジャーの頃からこれがあったら、肌をもっと健やかに保てたのでは? 思春期ならではの不安定な肌の悩みが随分楽になっていたのでは? ということ。
忙しい大人の女性のみならず、よりさまざまの世代の肌に寄り添えるのでは? と思ったりもする万能レシピです。

そしてもしも、少し多めにペーストを作ってしまったら、全身パックをしてそのままお風呂に入ってしまいましょう。
重曹は、肌が滑らかになる温泉と同じ効果があるので肘や踵などのざらつく部分も柔らかになりますし、ガスールはデオドラント効果もありますから、湯上りがとても爽やかな入浴剤になります。
お湯の中のガスールや重曹のクレンジング力はまだ持続していますから、浴槽を残り湯を入れたままスポンジで軽くなでれば、浴槽のざらつきや曇りもびっくりするほどきれいにできます。
春は「命がみなぎり張りつめていくことから"はる"という言葉になった」という説もあるように、物事の新しい始まりの季節ですが、その変化に心や体は戸惑い、揺らぐこともあります。そんな、喜びと裏腹なもやもやした感覚も、ガスールの心地よい手触りでさっぱりと洗い流してくださればと思います。
このレシピ、ガスールペーストの粘りととろみが強まり、かつホイップクリームのような手触りが加わるのも特徴です。
そんな優しく軽やかな手触りも、リフレッシュの時間が大切な季節にぴったりな気がします。
入れ物は、洗面所もフレッシュなしつらいにと、重曹もeavamの白い器で揃えてみました。こうしておけば、重曹をそのまま歯磨き粉がわり、ボディスクラブなど用途を自由自在にもでき、身づくろいの時間をシンプルに美しくできそうです。

*ご注意:
このレシピは肌が薄いかた、痛みがある場合などは、肌に合わないこともあります。その際はお試しにならないようにしてください。

(花岡安佐枝)

2016年3月17日木曜日

蜜なる季節がやってきた   hot and dry season has come ! but it is so so sweet !

昼を過ぎても11度より気温が上がらないという未曾有の寒波に見舞われた日もありましたが、それさえ恋しくなるような暑さと山焼きの煙で少し薄曇りの空の、暑季(ルドゥ・ローン)がやってきました。
しかも昨年の雨季が極端に少雨だったため、現在チェンマイは干ばつの被災県に指定され、暑さも例年なのに加えどこか不安な気分が強いのですが、それでもなお私たちには楽しみなことがあります。
この季節は、ラムヤイとジャスミンの花の季節なのです。

工場の庭のラムヤイの花が咲き、あたりに甘い蜜の香りが満ち始めると、製造部門のマネージャー、ジャックさんとバームチームリーダーのノイちゃんが電卓とノートを手にそわそわし始めます。
それは、年に一度限りのミツロウの注文予約の時期だからです。

私たちのバームの基材となるラムヤイの香りのミツロウは、この時期にラムヤイの畑で蜜を集めるミツバチの巣からしかとれませんし、私たちがミツロウを買う養蜂家のサヤンさん(御歳85歳)は、彼が厳選した花を増やすためのホルモン剤や農薬を使わない、人にもミツバチにも安全なラムヤイの果樹園にしか巣箱を置かないこだわりの人。結果その年の蜂蜜とミツロウの生産可能量は限られてしまいます。
それゆえ、年間の必要量予測が外れたり、予約が遅れたら取り返しのつかないことになってしまいます。ゆえにこの時期の二人の準備は大重責なのです。
もちろん、思いがけない注文や万が一を考えて、少し余分に在庫は持っていますが、新しく香り高いミツロウでバームを作りたい私たちですから、
「ああ、またおじさんたら果樹園へ行っていて連絡がつかないよ!」
と、電卓を叩き、鉛筆を握るジャックさんとノイちゃんの柔和な眦がつり上がり、可愛いため息がいつしか威勢の良い鼻息になるのも致し方ないことです。
そんな緊張を伴う注文ではありますが、二人はもちろん、私を含め買い付けやバーム製造担当者たちにはとても楽しみなことがあります。

一つは果樹園へミツロウの作柄を予測するためにミツバチや花の様子を見に行くことです。
涼しい木陰に漂うラムヤイの少しシナモンに似た甘い香りの帯がたゆたう中、ミツバチの歌声や、ミツバチの体重に耐えられずぱらぱらと散るラムヤイの小花の落ちるかそけき音を聞くのは、美味しい柔らかな水を沢山飲んで、ふっと深呼吸するような満ち足りた喜びがあります。
そしてもう一つの楽しみは、いよいよ注文量を決めて事務所へ出かけ、注文を終えたら、採れたての複雑で芳醇な味わいと香りのラムヤイの蜂蜜を買うこと。少し味見をしながらその年の蜂蜜の出来具合やおじいさんのこだわりを聞くことです。

サヤンさんは、中部タイの出身ですが、青年時代にチェンマイへ農業の学校へ通うためにやってきて、以来北タイの自然と「恋に落ちて」、公務員として長らく北タイの各地で農業指導をしたのち、養蜂を始めたという珍しい経歴の持ち主。
それゆえ、自分がミツバチの巣箱を置くラムヤイ農家の人たちも、より安全に質の良いラムヤイを育てるために化学肥料などをできるだけ使わないことなどのアドバイスをする他、ラムヤイや蜂蜜の作柄が悪い年には無利子で融資するなど、とても深く良好な関係を結んでいます。まさに良きタイ人そのもののような人なのです。
私たちは、そんな人もその生業もミツバチも、大切にしてやまない人の思いを聞くのが大好きなのです。
私たちの庭のラムヤイの花もそろそろ5分咲きを過ぎてきました。ジャックさんたちがサヤンさんに会いに行く日も間もなくでしょう。

それにしても、この時分のチェンマイの暑くて日ざしが強く乾いていることといったらありません。しかも朝は肌がけ布団が手放せないくらい気温が下がります。肌寒くて、暑くて乾いて・・と、1日のうちに日本ならば3つくらいの季節を過ごすような感じですから、肌はどことなくひりつくような突っ張るよう。日本もまだ冬の名残の乾燥と、日毎に強まるお日様、そして人によっては花粉症の影響もあって、やはり肌には乾きや心許なさを感じるのではないでしょうか。

そんな時に、心強く手放せないのがアルガンバームです。
特に私たちeavamのアルガンバームにはモロッコの高原で蒸留されたラベンダー精油が加わっているので、アルガンオイルが肌にハリを与える働きのみならず、不安定肌を沈静化させてくれ、サヤンさんの純粋で良質なラムヤイのミツロウが彼の誠実な心のようにやさしく肌を包んで乾燥を防いでくれるのです。
肌にどこか心許なさを感じたら、普段より少し多めに目元や鼻のまわりの肌が薄い部分に塗ってみてください。ラベンダーの香りとともに肌がふっと楽になるのを感じられるでしょう。
そして、少しバームが残ったら、口元にリップクリームとして伸ばしてみてください。一つの香りで心地よく フェイスケアをトータルにできます。
さらに毛先にヘアワックスや練り香としてそっとなじませて、さらに積極的にラベンダーの香りを楽しめば、更に心地よさも深まるはずです。
肌も、気持ちもどこか揺らぐ季節。アルガンバームの優しい手触りと香りで、心地よくお過ごしください。(Asae.Hanaoka)