2015年12月21日月曜日

旅の仲間・高原のラベンダーが香るバーム our beautiful travel companion

雨季が明け、夜に一斉に飛ばされる熱気球が有名な11月の満月と水と火のお祭りロイクラトーンが終わり、「ルドゥ・ナーウ(寒い季節)」と呼ばれる爽やかな季節とともに、チェンマイにいよいよ 観光のハイシーズンがやってきました。
「ルドゥ・ナーウ」のチェンマイは、陽射しも少し和らぎ、乾いた空気は軽やかで、30度近くまで昼の気温が上がってもそれと感じさせません。朝夕など気温は15度、時には10度を割ることもあり、いかにもリゾート地らしいとても爽やかなお天気となるのです。

軽やかな空気と熱帯にしては優しくフラジャイルな陽射しに誘われ、旅行者も地元住人も、日中外にいる時間が嬉しくてついつい長くなってしまうこの季節。
気づけば、うっかり日焼けで頬や唇のあたりが熱っぽくひりついたり、洗顔後の目元のハリが心もとなかったり、 手元はがさついたりと、肌のあちらこちらが、丁寧なケアを求める合図を投げかけてきます。
旅行者には、 更に日本の冷えびえした空気や飛行機や空港内の乾燥、移動や異なる気候による疲れという追い討ちがかかります。そんな時、私たち在留外国人も、ツーリストとしてやってくる友人たちもがぜん手放せなくなるのが、ラベンダーの香りと優しいオイルとミツロウの手触りが頼もしい、ラベンダー・アルガンバーム(クリーム)です。

このバーム、まずはアルガンオイルに含まれるたっぷりのビタミンEが、疲れた肌に力強さを取り戻し、ミツロウはガーゼやカシミアのように優しく肌をカバーして乾燥を防ぎ、ぴりつき過敏になった皮膚感覚を落ち着かせてくれます。
これだけでも、敏感になっている肌には優しいいたわりとなりますが、私たちのバームにはモロッコの高原で採れたとても香り高く力強さを持つラベンダー精油が加わっているところが、さらに特別なところです。
ラベンダー精油は、よく知られる香りによるリラクゼーション効果のほか、消炎、抗菌、鎮痛、軽いやけどのケアにも古くから使われてきているもの。
おかげで、私たちのバームには、お風呂上がりのリラックス用練り香、たくさん町を歩いたり、ヨガなどのワークショップを受けた後の マッサージバーム、日焼けで肌にどこかほてりが残る時のアフターサンケア、虫除け兼、虫刺されケア、リップクリーム、日ざしや乾きにぱさつく髪をいたわり、形も整えるヘアワックスなど 、工夫次第で心にも実用にも心地良い旅の相棒としての頼もしい働きが、これでもかというくらいに加わっているのです。
また、日本の冬のおかげで少し荒れ気味のかかとやひじが、こちらのお天気に合わせたサンダルや半袖で少し気になる時も、その部分に少し厚めに塗り込めば、すぐに滑らかな肌理に整えることができるのも、旅支度や出発が慌ただしかった人にはありがたいことではないでしょうか。

もちろん、これだけの多機能ぶりですから、日本へ戻った後もこのラベンダー・アルガンバームはその能力を冬のケアに大いに役立ててくれます
普段のきちんとそして心地良い生活の小節線を刻むバームとしても、何もかもが普段と違う思いがけない旅の心強い相棒としても、どんな時も私たちのラベンダー・アルガンバームは手放せない存在になるのではないでしょうか。

「人はさまざまな旅をして、結局その人が持っていたものだけを持ち帰る」といった 言葉をゲーテは残しているそうです。その心は、普段から積み重ねてきたものこそが、旅を通して、更に深く身につくということでしょうか。
日々の生活でも、旅の中でもいつも変わらずともにある私たちのシンプルなのに賢く心強いバームにも、この言葉はぴたりと当てはまる気がしてきます。この素敵なバームをお守りに、日常も旅先の非日常もシンプルに美しく豊かに過ごしたいもの、とちょっぴり自戒を込めつつ思うのでした。(Asae Hanaoka)


石鹸のミツロウコーティングの話 our beeswax coated soap

手作り石鹸に関する情報もネットや書籍でたくさん得られるようになりました。輸入食材店などでお気に入りのオリーブオイルを買い、薬局で苛性ソーダを調達し、自宅で手作り石鹸を楽しまれる方もいらっしゃるでしょう。
石鹸づくりは薬品を使った化学反応ですので、マスクや手袋、エプロンなど、きちんとした防備と細心の注意は欠かせませんが、牛乳パックなどで型を作り、発泡スチロールの保温BOXなどを利用すれば、コールドプロセス石鹸づくりも意外と手軽にできるものです。

コールドプロセス石鹸は、上質な材料であればあるほどその原料オイルに含まれるビタミン類など有用成分を活かせますし、また保湿成分もたっぷりで、初めて使う方はその洗い心地に驚かれるでしょう。
しかしその潤い成分であるグリセリンは水に溶けやすく、製品化するためにはきちんと外気と遮断して密封しなければなりません。

私たちは今から10年以上前、コールドプロセス石鹸を多層ポリ袋で真空パックすることを考案し、市場にリリースしてきました。そして来春リニューアルデビューする私たちのブランド「eavam」では、この石鹸を密封する方法をさらに一歩進め(もしくは戻り?)ミツロウでコーティングした石鹸をリリースします。

ミツロウはボトルに入ったお酒を封するのに使ったり、チーズをコーティングしたりと、世界の各地で大切なものを密封するのに昔から使われてきた素材です。大切な手紙を封巻するシーリングワックスもミツロウです。
日本は印鑑社会なので、役所などへ提出する文書にはハンコは欠かせませんし、夏休みの小学生たち(男の子たち)は電車で回るスタンプラリーが大好きです。会社では各部署の承認印を集めてまわるスタンプラリーも未だ健在と聞きますので、印章にはちょっと垢抜けない印象もあります。
そこへゆくとイギリス映画『エリザベス』の冒頭で、赤いワックスに大きなシーリングスタンプを押すシーンはとても恐ろしくもでも優雅で印象的でした。あのワックスもミツロウです。

こうした古くて新しいトラディショナルな自然素材を再発見し、これを私たちの大切なコールドプロセス石鹸を密封する素材としたeavamの「ミツロウコーティング石鹸」は、そのアイデアと実用性を認められ、日本で特許を取得しています。
そんな私たち自慢の石鹸なのですが、今の寒い季節は少しばかり気をつけていただきたい事があります。

私たちが使うミツロウは、多くの大規模な養蜂農家がミツバチの巣のベースに用いるパラフィンなどの、夾雑物をまったく使わない、昔ながらのミツロウ100%のものに限っています。ラムヤイの花から蜜を集めるミツバチの巣から精製するこのミツロウは、アルガンクリームなど私たちのコスメティック製品の基剤にも使われるものです。
識別用(着色用)に付加するものもガスールなどの自然素材に限定していますので、いずれにしても、ケミカルな柔軟剤や乳化剤、石油由来の添加物は一切加えていません。

ですので、春や夏の暖かい季節(というかチェンマイではむしろ暑いのですが)なら、ミツロウも柔軟性があって扱いやすく、石鹸のコーティングを剥がすのも容易いです。
しかし、今の日本のような寒い時期には、ミツロウが硬くなり、石鹸の表面に張り付いたようになって、なかなか剥がしにくい場合もあります。
「自然素材」「天然素材」と言ってしまうのは簡単ですが、そこは一工夫必要です。

寒い季節の冷えて固まったミツロウコーティング石鹸は、まず剥がす前にゆっくりと温めてください。コタツなどがあれば最高で、コタツ布団の中で10~15分くらい温めると比較的上手く剥がれます。コタツがなければドライヤーが使えます。ドライヤーを弱にして数分間温風を当ててみてください。手のひらで触ってしっかり人肌になったら、ゆっくり紐を引っ張って剥がしてください。
一周ぐるりと剥離紐が外れたら、石鹸を手のひらで持ちながら、指の腹で力を加えながら優しく剥がしてみてください。コンパクトを開けるような感じでしょうか。最初は多少力が要りますが、密着したミツロウと石鹸の間にプシュっと空気が入ってきれいに剥がせたときは、結構快感だったりします。
手間の掛かる商品で申し訳ありません。(Jiro Ohahsi)

*eavamのミツロウコーティング石鹸シリーズは、来春日本でもデビューする予定です。手間の掛かる商品ですが、皆様が実際に手にとっていただけるまで、いましばらくお待ちください。

2015年12月20日日曜日

香り高いコーヒーでリラックス・ボディケア coffee is our best friend !

コーヒーは、北回帰線と南回帰線の間のコーヒーベルトと言われる地域が栽培に適しているそうですが、うれしいことにタイもこの芳しい地域に含まれています。なかでも北タイのチェンマイやチェンライの山岳部の豊かな水や涼しい気候は美味しいコーヒーの育成に適しているうえ、タイ王室による山岳民族の生活向上プロジェクトとしてコーヒー栽培が奨励されたこともあり、この地域のコーヒー栽培が大きな産業に育っていくさまは目覚しいものがあります。
美味しさのみならず、安全性や独自性を追求し、森の中でオーガニックコーヒーを栽培するグループも着々と増えています。

コーヒーといえば、数年前までは、練乳やシロップがたっぷりはいった甘い甘いタイ式コーヒー(カフェーボーランと呼ばれる昔風コーヒーで、昔はタマリンドなどコーヒー以外の素材を用いて作られていたとのこと。もちろんこちらもどこか懐かしい味で、タイの味として永遠の定番です)が一般的だったのが、チェンマイでも町のあちこちに「カフェ・ソット(フレッシュコーヒー)」という看板を出して、本格的なエスプレッソやドリップコーヒーを出すカフェが増えました。
長らく本物の美味しいコーヒーに飢えていた在留外国人、旅行者や流行に敏感でシンプルでゆったりした生活を志向する若いタイの人たちにもフレッシュコーヒーは歓迎され、味へのこだわりはもちろん、古いタイの木造家屋をリノベートしたカフェ、土でできたエコハウスのカフェ、郊外の眺望の良い丘の上の手作りの素朴なオープンテラスカフェ、渓谷の小川の上にベンチを並べて川の流れに足をつけながらくつろぐカフェ 、ジャングルの中の大木の上のカフェ( !!) などなど、日本では簡単には実現できない奇想のカフェもでき、それぞれに個性的な人たちが集まってクラフトマーケットや写真展が開かれたり、カフェ文化のようなものの萌芽も感じられます。

少し前に長時間のカフェでのミーティングに席料として2,000バーツが請求されたとニュースでも話題になりましたが、これはあくまで慌ただしい都会での出来事、田舎のカフェではWiFiも当たり前に完備されていることもあって、自分の庭か部屋のごとくじっくり仕事をしたり、世間話に花を咲かせて何時間も過ごす人たちも多く、カフェにこんなゆったり寛容な空気もチェンマイならではのことだと思え、昔の中国の茶館、ウィーンのカフェやイスタンブールやイギリスのコーヒーハウスに様々な人間模様や文化の始まりがあったことと重なって見えたりもします。
そんな風にずっと前からあったかのようにチェンマイに馴染んでしまったコーヒーの恩恵を私も存分に受けていますが、そうなると気になりはじめるのは、毎日それなりの量がでてくるコーヒーがら、コーヒーを入れたあとの豆の粉の行方・再利用法です。

部屋や冷蔵庫の消臭剤や針山の中味、皮類のワックスの代用品や堆肥などが有名ですが、これらコーヒーがらの再利用法を眺めていると、油分がキーワードになった方法が多い気がします。実際、ターキッシュコーヒーやフレンチプレスで入れたコーヒーの表面にはうっすらと油脂が浮き上がり、生命の源の植物の種でもあるコーヒーが本来それなりに油脂を含んでいるとわかります。
改めて少し調べてみると、コーヒーオイルにはアンチエイジングに効果的な脂肪酸も含まれているようでもあります !!

そこで思いついたのが、今回ご紹介する使用済みのコーヒーの粉を入れたガスールのボディスクラブです。
まず、コーヒー豆に含まれる適度な油脂が肌や髪を重くなりすぎず滑らかに整えますし、ガスールやコーヒーはデオドラント効果があり、さらにコーヒー豆の粒子は優しいスクラブ効果を果たしますから、ボディケアにぴったりです。
さらに油分の他に含まれているカフェインやポリフェノールは肌を引き締める効果があるのですから、セルライトやたるみ、ガサつきが気になる部分などにもぴったり。かてて加えて香りには抜群のリラクゼーション効果もあるのですから、もう至れりつくせりの素材と言えそうです。

レシピは、大さじ3杯のガスールペーストに使用済みの乾燥していない新鮮なコーヒー粉を1.5杯(好みで増減させてください)。
双方をよく 混ぜてから、 全身にやさしくなじませ、洗い流してください。
かかとやひじなどガサつきやすい部分、セルライトが気になる腿の周りなどは、少し丁寧にマッサージしてから洗い流すとさらに効果的です。
普段から石鹸シャンプーを使っている髪には、ヘアパックとしても心地よい香りと仕上がりとなります。
飲めば魔法のようなリフレッシュとリラックスを与えてくれるコーヒー、肌でもその素晴らしい効果を楽しんでみるのはいかがでしょうか。(Asae Hanaoka)

2015年12月15日火曜日

ガスール、冬のビター&スイート winter ghassoul recipe , bitter and sweet

日本はいよいよ寒さが厳しくなるちょうど今ごろ、チェンマイも眠るには冬布団が必要で朝夕は厚着をしなくてはならない熱帯の冬を迎えます。そんなこの季節、どちらにいても気になるのは肌の乾燥です。
冷たい風や、身体の外側だけが熱く、肌が赤く膨らんでくるような気がしてしまう暖房、乾いた空気に、肌はどことなし強張ったり、ぴりついたりしないでしょうか? でも、やはりメイクや皮脂の汚れなどもきちんと取り去りリフレッシュすることも欠かさず、清浄でみずみずしい肌を冬でも保ちたいのもまた本心です。

そんな時はモロッコ産のクレイ・ガスールに、食べたらリッチなコクがあって美味しいものを少し加えると、クレンジングと保湿を兼ねた肌に優しい、世にも贅沢で優雅なクレンジングが簡単にできてとても快適・便利です。

洗浄力はそれだけで十分にあるのがガスールなので、キッチンを見回してオリーブオイルやオートミール、すりごまやアーモンドパウダー、ヨーグルトなど、油分やたんぱく質、心地よい香りがあるものを選んで、ガスールに練りこめば良いのです。
そして後はいつもどおり、肌にガスールをなじませ、洗い流すだけ。
ガスールが、肌をすっきり清らかに洗い上げながら、ガスールによって程よく水と乳化した食材たちの油分や保湿成分、香りは、肌には潤い、気持ちにはふっくらした甘い感触を与えてくれます。



そんなガスールの働きを生かし、例えば、こんなレシピはどうでしょう?

もともとチョコレートと間違えられそうな、
優しげで美味しそうなルックスのガスールなので、ココアと混ぜてみるのです。
寒い季節や疲れた時、気持ちを優しく甘やかしてくれる一番の飲み物と言えば、やはりココアですし、ココアには、肌を引き締めるポリフェノールや、しっとりと滑らかに保湿する油分がたっぷり含まれています。

フェイス、髪はもちろん、全身に使って、香りも感触も美味しい肌を作り上げるのも、楽しいのではないでしょうか。


作り方は簡単です。
ココアパウダー大さじ1杯をガスールペースト大さじ1杯に混ぜて練り、少し水を加えて柔らかさを調節するだけ。艶やかな生チョコレート風の仕上がりになります(この量はフェイス用です。全身用にはこの2〜3倍の量をご用意ください)。


または、洗顔もして部屋でゆっくりするためのココアをちょっぴり多めに作り、それで、ガスールを溶いてしまう方法。
ココアパウダーの他に加えた、ミルクや蜂蜜、砂糖が肌の保湿に更に力を貸してくれます。(この場合、ココアにスパイスを入れるのは、肌の刺激になるのでやめましょう)。


「赤い薔薇ソースの伝説」という不思議な恋愛映画の中で、悲しい境遇の少女が、その気持ちや境遇を紛らわせるように、夜、ココアをかき混ぜているシーンがありました。この少女は、料理した食べ物を使って相手に思いを伝える事ができる不思議な能力を持っていました。
私たちにはそんな力はありませんが、それでも丁寧にこしらえたものに触れたり食べれば、わき起こる感覚は間違いなくあるもの。私たちのガスールも大勢の人たちが大切に心を込めて作り上げたがものです。優しく心と肌を甘やかす気持ちで、このレシピを作っていただけたらと思います。清浄でなめらかな透明なヴェールが肌を包むような感触に驚かれるはずです。
 洗顔後には、ラベンダーの香りのアルガンクリームを薄く肌に伸ばしてください
ココアの甘さと渋さにラベンダーの静けさが重なって、冬の夜長にぴったりな、よりリラックスできる香りを楽しめます。(Asae.Hanaoka)

*ご注意:
肌質、体質によっては肌に合わない素材もあります。
ガスールに混ぜる素材は、ご自身の肌質やアレルギーの有無に合わせてお選びください。