「トゥア」というのは豆、「ナオ」というのは腐った、という意味で、トゥアナオというのは大豆を発酵させて作る食べ物・調味料である。日本でいう納豆のようなものだ。よくバナナの葉などで包まれている。
周りを見渡してみると、バナナの葉は、スープの材料を束ねるものに使われていたり、お菓子の包みや容器として、また茶碗蒸しのような卵料理の器としても使われている。なんでも殺菌効果もあるようで、生肉や鮮魚を並べるシートとして使われているのもよく見かける。
バナナは、タイでは自生している場合も多く、とても身近な果物である。家の庭や道端にバナナがたわわに実っていたりする。赤ちゃんの離乳食も10分粥ではなくて、バナナからスタートするという。
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平面状の葉っぱが自由自在に形を変えて、食材をまとめたり、食べ物を包んだり、容器となったりするのは、用途に応じて作られたプラスチックの容器とは違い、シンプルな形状のものにこそ無限の可能性が秘められているよう。一枚の正方形の折り紙から数知れない立体の造形を作ることができることと似ている。
四角いものでも、丸いものでも、長いものでも、どんな形でも包んで、端っこを結んで取っ手にすればバッグになる、と威勢よく日本の伝統文化なるものを誇らしげに説明したのだが、翌朝ブロンドヘアーで背の高い女性の教授は、和柄の風呂敷を無地のシンプルなワンピースと上手に色合わせをして、スカーフとして首のまわりに巻いて教壇に立った。目を丸くしてびっくりしている私と目が合うと、ウィンクをしてくれた。
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沖縄県出身。津田塾大学国際関係学科卒業、在学中に英国エジンバラ大学へ留学。
2002年、服飾関係の仕事でタイ・チェンマイへ初めて来る。
仕事の契約期間の1年の駐在のつもりが、タイ人の夫と結婚して今年でチェンマイ滞在も13年目。
夫の旅行業務・撮影コーディネートの手伝いをしながら、服飾の仕事も続けている。