ここは石鹸工場です。
近所のタイの人たちは、私たちのことをそう呼びます。
工場内には、たくさんの石鹸が並びます。みんな同じように見えても、よく見ると不備が見つかって製品にできない石鹸もでてきます。それをスタッフたちは目を利かせて見分けていきます。視覚に神経を集中させて、石鹸の表面をくまなく点検します。石鹸が製品になるための洗礼のようで、少しの緊張感を醸し出しています。
そんな石鹸の点検が続いていたある日、石鹸の洗礼儀式の隣の作業台では、立派な製品になった石鹸がそれぞれリボンをつけて並んでいました。担当のプンさんが、繊細な麻ひもを石鹸に結んでいます。手早く石鹸の点検をするその隣りで、ゆっくりと石鹸にリボンをかけていきます。そこだけ、少し柔らかい空気がありました。
このリボンを付けた可愛らしい石鹸は、アメニティ用の石鹸です。ほしはなヴィレッジに宿泊するお客様のための石鹸です。どんな方が使ってくださるのでしょうか、気に入ってくださるでしょうか、リボンをほどく方のことを想い、その方が石鹸を使うことを想像して、リボンは結ばれます。
ものづくりを通して、ひとを想う。
想いを結ばれた石鹸がたくさんできました。(Miyajima)