2013年5月27日月曜日

試作の日々 the day of make a prototype


先週、スタッフたちがバンコクのコンベンションセンターで開かれた石鹸のワークショップへ参加してきました。週末を利用した二泊三日のこのワークショップの参加メンバーは4名。皆にとってはバンコクは大都会です。ゆったりとしたチェンマイとはそのスピードも人の密度も、そして気温も違います。飛行機に乗るのだって一大事です。空港に着いたら地下鉄にも乗らなくてはなりません。チェンマイには地下鉄なんてありません。
各製造チームの代表として皆選ばれた人たちですが、それでも緊張していた様子。ジェネラルマネージャーのJackさんに当日の朝電話で様子を尋ねると「緊張しましたー。昨日はよく眠れませんでしたー。でもご飯はちゃんと食べました!」とのこと。
皆のんびりとしたチェンマイっ子ですが、それでも各チームのリーダー達です。たしかに地下鉄のホームでは右手と右足を同時に出し、ロボットのようにに緊張して歩いていたかもしれませんが、吸収するものはしっかり吸収して帰って来た様子。週明けにはさっそく石鹸の試作を始めています。

試作の段階は当然まだ製造ラインも確立していません。専用の道具も工具も金型も当然ありませんから、畢竟その作業は身の回りのボウルや泡立て器、計量カップや包丁やといった台所用品、ビーカーや温度計、秤といった理科の実験器具などが使われます。材料はオリーブオイルやココナッツオイルなどの他に、会社の敷地に生えているハーブ類、香り付けのエッセンシャルオイルなど、これまた身の回りの物たち。石鹸の型にはお菓子の容器やトイレットペーパーの芯! 牛乳パックなど、使えるものはなんでも使います。

その様子はメーカーの開発室というよりも、むしろキッチンで料理やお菓子を作っているようにしか見えません。とはいえそこはスタッフたちです。この石鹸づくりでは完全なプロフェッショナル。材料の正確な計量から撹拌の要領、温度調節と時間配分は完璧です。新しいレシピを試しつつも、ちょっとした気になる変化があれば見逃さずにレシピの微調整を行います。仕込みの翌日には早くも型出しを行いましたが、石鹸生地の空気に触れる面にもほとんど粉吹きは見られません。その見事な仕事ぶりも頼もしい限りのスタッフたちですが、試行錯誤はこれからが本番。
これから約4週間の間、鹸化が落ち着くまで乾燥室で保管されますが、その間に形やパッケージの加工、見せ方やしつらえ、製品として形に落とし込んでゆけるまで、考えうる全ての可能性を試します。その中から実際の私たちの製品としてリリースできるものが出来れば幸せですが、こればかりはわかりません。試作の日々は続きます。