前回は、朝の普段を特別にするクレイケアとして、重曹入りガスールペーストをご紹介しました。
顔に重曹入りガスールペーストを伸ばしたら、まずはそのまま歯磨きし、歯磨き時間をクレイパック時間と兼ねるとお話しましたが、歯磨きをする前に、もうひとつとても便利なガスールペーストの活用法があることも、今日はお話しできたらと思います。
朝、顔をぬるま湯で予洗いし、重曹入りガスールを顔に塗り、いざ歯磨き!
・・・と、手元を見れば、手はガスールで泥んこ状態ではないでしょうか?
さすがにこれで歯ブラシもコップも持ちたくはありません。かといってそのままガスールを洗い流すのもなんだか勿体ないもの。
そこで、この手に残った重曹入りガスールを無駄なく使う方法をふたつご紹介です。
ひとつめは・・・。
洗面台の流しを、このガスールのついた手でさっと撫でて、手を洗いながら流しのガスールも洗い流します。
ふたつめは・・・。
歯磨き用のコップに手に残ったガスールをつけ、手とガスールもろともすすぎます。
ガスールの洗浄力は、油分やたんぱく質やそれらが入り混じった水垢にも効果抜群なので、こうすると手はもちろんのことコップやステンレスや陶器の流しも、新品のように滑らかな手触りと光沢、透明感を取り戻すことができるのです。
あまりに効果がありすぎるので、コップも洗面台も、せっかくなので蛇口も。。。と、あちらこちら目移りしてしまいそうですが、それでは朝のスキンケア時間がみずまわりの掃除時間になって、うっかり家を出る時刻が遅くなってしまいかねません。
月曜日は洗面台、火曜日はコップ、あるいは朝夕というように、 曜日や時間で順繰りにきれいにする場所を決めると、普段の朝の段取りを保ちながら、洗面台まわりが無理なく明るく清潔になって、スキンケアもさらに新鮮な気持ちで楽しめますし、せっかく作ったガスールのペーストも無駄なく使い切れます。一石二鳥以上の活用法、ぜひお試しください。
この方法、モロッコで仕事をしていた時に思いついたものでした。
なにしろ、ミネラル分たっぷりのクレイ・ガスールが採れる国です。大抵の場所が、お湯を沸かせば水の表面にうっすら白いカルシウムの膜ができるほどの硬水です。
とはいえ、甘く香り高いミントティを美味しくするにも、モロッコ人の家庭の味であるタジン鍋の野菜や肉を柔らかく滋味たっぷりに仕上げるにもこの強力な硬水は不可欠ですが、一方で石鹸では洗い物が思うようにできません。
しかも、タジンもミントティもモロッコでは日々の食の中心にある存在であり、たっぷりのオリーブオイルと羊肉の脂が混じり合った鍋も、手づかみで肉や野菜を食べるため(それが一番美味しいのです!)、必ずや脂がついてしまう指先や口元が触れたお茶のグラスが、食事のたびにキッチンには山と運ばれてきます。おまけにモロッコの家は大家族が大抵ですし、そうでなくても友人たちなど大勢で楽しく食事をすることを大切にしますから、食事のたびに出るグラスや食器の数はなまなかなものではありません。結果、昨今のモロッコの一般家庭のキッチンではおのずと匂いも洗浄力も強力な合成洗剤が使われがちです。
でも、私たちが欲しいのはより良質な自然素材を使ったもの。
またそれにふさわしい意識をもって生活もしたいと考えています。
そのために上質な原料を求めることはいわずもがな、より安全な製造環境の維持にも努めなくてはならず、排水など周囲の環境にもできる限り安全で匂いもないものを使うことが、自らの生活やものづくりの大切な条件となります。
実際チェンマイにあるeavamの工場では、器具や布などの洗浄に使うのは、すべて自社で作った石鹸の不良品や成形の際に出るフレークです。
なのに大切な原料の供給元であるモロッコでは頼みの石鹸もちょっと難しい、かといって市販のものは使えない。どうしようかしら? せっかく洗浄効果のあるものを作っているのだし、もしかして・・・? と、お皿や鍋の山を眺めつつ、試作などで余ったガスールを試しにキッチンで使ってみたところ想像以上に効果てきめんだったのがきっかけだったのです。
以来、除菌などが必要な時、大勢が集まる工場では、熱湯やアルコール、精油、石鹸も使いますが、チェンマイの我が家ではガスールは洗面台のみならず、キッチンでも大切な座を占めています。
とにかく素敵なクレンジング力と保湿力があって、スキンケアの始まりには欠かせない魔法のようなクレイ「ガスール」ですが、少し見方を変えると生活の中にも大きな活躍の場があること、その力が身の回りをとても創意工夫に満ちたシンプルなものにしてくれることに気づかされます。
気負ったり構えたりすることなく、スキンケアの領域以外でも、少しずつガスールの活躍の場を生活の中で広げてみるのはいかがでしょうか。朝、鏡のように涼しく光るシンクや蛇口を見るだけでも、1日の始まりに胸がすくような爽やかさが加わること請け合いです。
写真は、週末の浴槽磨きの図。ハンドタオルに重曹入りガスールペーストをつけて浴槽の内側をさっと撫でたところです。この後は水で軽く洗い流すだけ。曇りのない鏡のような仕上がりになります。
(花岡安佐枝)
顔に重曹入りガスールペーストを伸ばしたら、まずはそのまま歯磨きし、歯磨き時間をクレイパック時間と兼ねるとお話しましたが、歯磨きをする前に、もうひとつとても便利なガスールペーストの活用法があることも、今日はお話しできたらと思います。
朝、顔をぬるま湯で予洗いし、重曹入りガスールを顔に塗り、いざ歯磨き!
・・・と、手元を見れば、手はガスールで泥んこ状態ではないでしょうか?
さすがにこれで歯ブラシもコップも持ちたくはありません。かといってそのままガスールを洗い流すのもなんだか勿体ないもの。
そこで、この手に残った重曹入りガスールを無駄なく使う方法をふたつご紹介です。
ひとつめは・・・。
洗面台の流しを、このガスールのついた手でさっと撫でて、手を洗いながら流しのガスールも洗い流します。
ふたつめは・・・。
歯磨き用のコップに手に残ったガスールをつけ、手とガスールもろともすすぎます。
ガスールの洗浄力は、油分やたんぱく質やそれらが入り混じった水垢にも効果抜群なので、こうすると手はもちろんのことコップやステンレスや陶器の流しも、新品のように滑らかな手触りと光沢、透明感を取り戻すことができるのです。
あまりに効果がありすぎるので、コップも洗面台も、せっかくなので蛇口も。。。と、あちらこちら目移りしてしまいそうですが、それでは朝のスキンケア時間がみずまわりの掃除時間になって、うっかり家を出る時刻が遅くなってしまいかねません。
月曜日は洗面台、火曜日はコップ、あるいは朝夕というように、 曜日や時間で順繰りにきれいにする場所を決めると、普段の朝の段取りを保ちながら、洗面台まわりが無理なく明るく清潔になって、スキンケアもさらに新鮮な気持ちで楽しめますし、せっかく作ったガスールのペーストも無駄なく使い切れます。一石二鳥以上の活用法、ぜひお試しください。
この方法、モロッコで仕事をしていた時に思いついたものでした。
なにしろ、ミネラル分たっぷりのクレイ・ガスールが採れる国です。大抵の場所が、お湯を沸かせば水の表面にうっすら白いカルシウムの膜ができるほどの硬水です。
とはいえ、甘く香り高いミントティを美味しくするにも、モロッコ人の家庭の味であるタジン鍋の野菜や肉を柔らかく滋味たっぷりに仕上げるにもこの強力な硬水は不可欠ですが、一方で石鹸では洗い物が思うようにできません。
しかも、タジンもミントティもモロッコでは日々の食の中心にある存在であり、たっぷりのオリーブオイルと羊肉の脂が混じり合った鍋も、手づかみで肉や野菜を食べるため(それが一番美味しいのです!)、必ずや脂がついてしまう指先や口元が触れたお茶のグラスが、食事のたびにキッチンには山と運ばれてきます。おまけにモロッコの家は大家族が大抵ですし、そうでなくても友人たちなど大勢で楽しく食事をすることを大切にしますから、食事のたびに出るグラスや食器の数はなまなかなものではありません。結果、昨今のモロッコの一般家庭のキッチンではおのずと匂いも洗浄力も強力な合成洗剤が使われがちです。
でも、私たちが欲しいのはより良質な自然素材を使ったもの。
またそれにふさわしい意識をもって生活もしたいと考えています。
そのために上質な原料を求めることはいわずもがな、より安全な製造環境の維持にも努めなくてはならず、排水など周囲の環境にもできる限り安全で匂いもないものを使うことが、自らの生活やものづくりの大切な条件となります。
実際チェンマイにあるeavamの工場では、器具や布などの洗浄に使うのは、すべて自社で作った石鹸の不良品や成形の際に出るフレークです。
なのに大切な原料の供給元であるモロッコでは頼みの石鹸もちょっと難しい、かといって市販のものは使えない。どうしようかしら? せっかく洗浄効果のあるものを作っているのだし、もしかして・・・? と、お皿や鍋の山を眺めつつ、試作などで余ったガスールを試しにキッチンで使ってみたところ想像以上に効果てきめんだったのがきっかけだったのです。
以来、除菌などが必要な時、大勢が集まる工場では、熱湯やアルコール、精油、石鹸も使いますが、チェンマイの我が家ではガスールは洗面台のみならず、キッチンでも大切な座を占めています。
とにかく素敵なクレンジング力と保湿力があって、スキンケアの始まりには欠かせない魔法のようなクレイ「ガスール」ですが、少し見方を変えると生活の中にも大きな活躍の場があること、その力が身の回りをとても創意工夫に満ちたシンプルなものにしてくれることに気づかされます。
気負ったり構えたりすることなく、スキンケアの領域以外でも、少しずつガスールの活躍の場を生活の中で広げてみるのはいかがでしょうか。朝、鏡のように涼しく光るシンクや蛇口を見るだけでも、1日の始まりに胸がすくような爽やかさが加わること請け合いです。
写真は、週末の浴槽磨きの図。ハンドタオルに重曹入りガスールペーストをつけて浴槽の内側をさっと撫でたところです。この後は水で軽く洗い流すだけ。曇りのない鏡のような仕上がりになります。
(花岡安佐枝)